大人も子供も、転んで歯をぶつけてしまったなどと言う事は日常生活の中でありがちな事ですよね。何でもなければいいのですが、歯が欠けている、歯がぐらぐらしている、などの症状があったときは必ず歯医者さんに行って確認してもらいましょう!これが歯の外傷と言うものです。歯の外傷には、歯が欠けたりする破折、歯がぐらぐら動く動揺、脱臼及び亜脱臼、歯の位置が本来の場所とはズレてしまう転位、歯肉の中にめり込んでしまう陥入、歯が抜け落ちてしまう脱落など、状態により分けられます。
 歯が欠けてしまった破折の場合、欠け方により対応の仕方は変わります。軽度の場合は症状もなく歯の神経や歯肉に影響が出ることもほとんどありません。但し、ぶつけた時の衝撃の影響で歯の神経に異常をきたし、しばらくすると歯に変色が生じたり歯肉が腫れる事があります。神経に達するような欠け方の場合は強い痛みなどの症状がでてしまうので、神経をとると言った早めの処置が必要となります。歯の動揺、脱臼、亜脱臼の場合、ごく軽度の動揺の時はぶつけた歯を安静に保ち経過観察を行います。明らかな動揺、脱臼、亜脱臼が見られた時は隣在歯と連結固定をし安静を保ちます。固定期間は状況にもよりますが数週間から数か月行います。また歯根が折れている場合も動揺が見られますので状態により抜歯が適応となる事もあります。歯の転位、陥入の場合、受傷した歯を元の位置に戻し隣在歯と固定をして、歯及び周囲歯肉の安静を保ち回復を待ちます。ごくごく軽度の転位・陥入の場合はその程度により元に戻さずそのまま様子を見る事もあります。歯が脱落してしまった場合、再植が試みられます。受傷してからの経過時間、脱落した歯及びその保存状態、周囲の歯肉や骨の状態により予後に影響してきます。もし脱落のような事態になったら、歯を乾燥させないよう「歯の保存液」と言われるものや(学校などによっては備えている所もあるようです)、「牛乳」などにつけて出来るだけ早く歯医者さんを受診しましょう。
 上記したいずれの状態でも、その時だけの処置で終わらず歯科医師の指示に従い経過観察を行っていく必要があります。痛みがなくても徐々に歯の神経に問題が生じ、歯が変色したり歯肉が腫れたりすることがあるからです。その場合神経をとる処置を行ったり状態によっては抜歯の必要性が生じます。
 よって、歯をぶつけてしまった場合まずは歯医者さんを受診しましょう。そして必要に応じレントゲン撮影などの検査を継続的に行い、経過観察をして行きましょう。