平成26年度よりCAD/CAM(キャドキャム又はカドカム)冠と言う被せ物が保険診療の中で出来るようになりました。

それまでの保険での被せ物は“銀歯”と言われるメタルクラウンと、硬質レジンと言われるプラスチックで出来た硬質レジンジャケット冠がありました。前歯に関しては金属に硬質レジンをくっ付けた硬質レジン前装冠と言われるものがありました。勿論現在もこれらのの被せ物はあります。

これ等は前歯なのか、奥歯なのか、咬み合わせの状態、力の加わり方などにより使い分けをします。また部位により適応になるものならない物があります。

平成26年度よりこれにもう1種類の被せ物が出来るようになりました。これが前記したCAD/CAM冠です。まずCADとはコンピューターによる設計プログラムでCAMとはコンピューターによる加工プログラムの事です。このコンピュータープログラムを用いて作られた被せ物の事をCAD/CAM冠と言います。用いる材料はプラスチック(レジン)とセラミック(陶材)を混ぜ合わせて作ったものを四角いブロック状にして、これをCAD/CAMシステムを搭載した機械により被せ物の形に削り出して作製していきます。

このCAD/CAMシステムは、工業界においてはすでに用いられているもので機械の部品やパーツ、その他様々な物がこれにより作られています。

歯科の分野においては、10数年前から徐々に普及し始めて白い被せ物や詰め物を作製するために用いられるようになりました。当時は保険での適応にはなっていなかったので、これらによって作られたものは自費あつかいになり、数万円~10万円程度の料金がかかりました。現在では、1万円以下の数千円で出来るようになりました。以前用いられていた硬質レジンジャケット冠よりも、より強度があり審美的にも優れていて保険の範囲での白い被せ物として徐々に一般的になりつつあります。ちなみにこれが適応になる歯の部位は上下顎とも前から数えて4番目と5番目です。但し前記したようにどのような被せ物を選ぶかは様々な条件を考慮して行かなければなりません。よってもしこのCAD/CAM冠を希望する場合はかかりつけの歯科医師としっかり相談をして選択して下さい。

勿論これは従来通りですが、お手入れ(ブラッシング)をしっかりして大事に使って行きましょう。