たばこの体に対する害と言うのは、皆さんご存知だと思います。
実際には肺がん、高血圧など様々な病気に大きく影響すると言われています。
最近、“受動喫煙”が話題に上がっています。たばこの煙には吸っている人が吸い込む“主流煙”と、火のついたたばこの先から出る“副流煙”があり、この副流煙を吸い込んでしまう事を“受動喫煙”と言います。この事が大きく取りざたされていて、国レベルでの対策が検討されています。
副流煙には主流煙に比べてニコチン、一酸化炭素、タールが約3~5倍含まれていると言われています。よってこの受動喫煙にさらされている人も様々な健康被害を被るのです。例えば、肺がんの場合、喫煙者は非喫煙者に比べリスクが4~5倍になると言われていますが、もちろん受動喫煙によってもリスクが高まります。高血圧も喫煙者同様非喫煙者にも受動喫煙によるリスクが高まります。血圧の異常により脳卒中などの危険も高まり、他虚血性心疾患や、さらに認知機能への影響、精神的苦痛による障害も、喫煙者・非喫煙者ともリスクが増大すると言われています。
歯科において重大な問題となってくるのが“歯周病・むし歯”です。喫煙により口の中の環境が悪化する事は以前から言われていますが、具体的にはたばこに含まれる三大有害物質のニコチン、タール、一酸化炭素が主な原因です。これ等は血管の機能を損ない、着色により歯の汚れの付着を助長したり、免疫機能を低下させるのです。血管の機能が損なわれると血行障害が起こり歯肉などが必要とする栄養供給が低下します。歯への汚れ付着が助長されれば、その汚れが更なる汚れを呼び、いわゆるむし歯へとつながってしまいます。口の中の免疫機能が低下すれば、歯肉などへの細菌感染が歯周病のさらなる重篤化を招いてしまいます。
口の中の環境が悪化して歯周病やむし歯によって歯を失うような事があれば、その歯だけでなくその他の歯もまた同様のリスクを抱える事になります。歯を1本失うとそれが負の連鎖となり2本3本と歯を失う原因となります。歯を失うと大部分はブリッジや義歯、インプラントから治療を選ぶ事になりますが口腔内の環境が悪いと選択肢がなくなってしまう事もあり、希望する治療が出来ない場合も出てきます。
また歯周病は受動喫煙によっても悪化のリスクを増大させてしまうと言うデータもあるのです。
禁煙は最終的には本人の強い意志が必要ですが、なかなかそれだけでは難しいのが現実です。家族や友人、職場の同僚など様々な人の協力はもちろん、禁煙外来など医療機関での治療も有効に活用しましょう。松戸市ではそうした方々のための禁煙サポートを行っていますのであわせて活用してみて下さい。