今回は、虫歯の種類と主な治療法をご紹介いたします。歯の構造は大きく分けると3つの層になっています。外側にエナメル質、真ん中に神経の入った歯髄腔(しずいくう)、その間に象牙質(ぞうげしつ)の3層で歯は作られています。

例えると、ゆで卵のような構造です。殻の部分がエナメル質と言われ、硬い構造になっています。神経は黄身の部分に相当します。白身の部分が象牙質になります。

硬いエナメル質は常に危険にさらされていて、食事や甘いものを食べるごとに表面が溶けたり、再石灰化したりを繰り返しています。ミネラルであるカルシウムやリンなどが溶け出てもバランスよく再石灰化をしていれば虫歯になりません。

ところが、だらだらと食事や間食をしたり、夜寝る前に歯を磨かなかったりすると、口の中の虫歯菌が急激に増殖して歯を溶かす力が増し虫歯になります。エナメル質が破壊されると少しの穴からでも虫に食われたように一気に象牙質が溶け始めます。

エナメル質表面の虫歯は様子を見ておくことが多いので治療は主に象牙質が溶けた場合から始まります。象牙質まで溶けた虫歯は治療をしないとほとんど修復しません。象牙質に及んだ虫歯はCR(コンポジットレジン)やインレーと言われる型をとって詰める治療をします。

さらに象牙質が溶けて神経(歯髄腔)まで虫歯菌が達した場合には、神経そのものを取り除き、神経の入っている空間を虫歯菌のいない状況である無菌状態にします。これが根っこの治療です。根っこの治療は時間がかかることが多く通院回数が増えます。根の治療は、神経の空間に専用のゴムのような材料を詰めて、その上に土台を作り、かぶせ物を決めて、形を整え、型を取ります。歯科技工士が個人に合ったオリジナルの歯を作り調整してかぶせます。

さらに虫歯菌が歯の根っこから骨に感染することもあります。その場合も、根の炎症を治し、神経の入っていた空間を先ほどの根の治療と同じように治していきます。骨に感染した虫歯菌は特に治療の回数がかかります。一度神経を取ってしまうと歯には感覚がないため、気付いた時には歯の中がボロボロということもあります。歯科医院で定期的にレントゲン写真をとって確認するようにして常にチェックしておくことをお勧めいたします。