新型コロナウイルスは未だ猛威を振るっております。感染した場合の症状は、発熱、倦怠感、重症化した場合は肺炎など様々ありますが、口の中では味覚障害などの症状がみられる事が報告されています。
口の中やその周囲でもウイルス感染による疾患が存在します。その中でも比較的よく耳にするものをいくつか紹介いたします。
ヘルペス性口内炎:単純性ヘルペスウイルスの初感染で、感染後4,5日を経て発症しますが小児に多く見られます。症状として全身的に発熱や倦怠感が見られます。口の中では粘膜や歯肉、舌に水疱が多発する事があり、状況により自発痛や接触痛が強く生じます。時には顎の下にあるリンパ節が腫れてしまう事もあります。
帯状疱疹:子供の時に感染した水痘帯状疱疹(水ぼうそう)ウイルスが神経の中に残っていて、体調不良など免疫力が低下した時などにそれらが活性化し症状として現れます。神経が分布する領域に一致して発疹が多発し、多くの水疱を形成することがあります。三叉神経支配領域の顔面に好発し、かゆみや痛みなどの症状があります。
ヘルパンギーナ:コクサッキーウイルスA群による感染で、急性ウイルス咽頭炎炎です。軟口蓋と言われる口の奥の柔らかい部分に発赤や水疱を形成します。発熱や咽頭痛も生じます。それに伴う接触痛により食事、哺乳障害が起こり時には脱水症状を呈する事もあります。小児に多く見られ、まれに大人にも見られます。
手足口病:コウサッキーA16、あるいはエンテロウイルス71による感染で小児に多く見られます。感染後数日の潜伏期間を経て口の中とその周囲、手、足などに水疱が生じます。また発熱も伴い、主に夏流行する傾向があります。口の中に水疱が形成されると、痛みにより食事、哺乳障害が生じますので、水分や栄養補給には十分に注意しましょう。手足口病は子供の病気と言われがちですが、大人の方でも感染のリスクはありますので注意して下さい。
この他にも、ウイルスによる感染症は存在します。日頃からうがい・手洗い・体調管理などには十分注意して下さい。
コロナウイルス感染の長期化により医療従事者、飲食、エンターテインメント業界、その他多くの業界の方々、そしてコロナウイルスに感染してしまった方など、多くの人が苦しい思いをしております。徐々にワクチン接種が進んでおりますが未だコロナウイルス感染が蔓延している状態です。今後も皆で協力し思いやりを持った行動を心掛けましょう。