皆さんご存じの通り、これからの日本は超高齢化社会になってきています。それに伴い多くの問題が課題として山積みされています。膨大な医療費、介護、労働者人口の減少・・・。
色々な問題がありますが、超高齢化社会の中で認知症はより身近で重要な課題です。ここでは歯科と認知症との関わりについて考えてみたいと思います。
認知症は脳血管障害による血管性認知症、脳萎縮に伴う変性性認知症、非アルツハイマー型認知症、二次性認知症に分けられます。またアルツハイマー病、レビー小体型認知症、血管性認知症、前頭側頭型認知症を四大認知症と呼びます。よく耳にするアルツハイマー病は変性性認知症に属します。
歯科において主となる疾患は歯周病、むし歯と言われております。歯を失う原因もこの二つが大きな比率を占めています。歯周病に関しては近年の研究でアルツハイマー型の認知症との関係が挙げられており、歯周病菌由来の細菌の毒素が認知症を惹起すると言われております。神経障害性または血管障害性の認知症に深く関与するのではなどと言われているようです。
歯周病やむし歯により歯を喪失すると、当然摂食や咀嚼と言う事に問題が生じてきます。
認知症の防止策として言われるのが、“しっかりと食事をする”と言う事です。歯がないと食べるものに偏りが生じ、また栄養摂取にもバランスを欠いて来ます。(勿論歯がしっかりしていても好き嫌いでの食べ物の偏りがあってはよくありませんのでバランスよくしっかり食べましょう。)
また歯がないと咀嚼機能の低下が生じます。よく噛む、噛めると言う事は、それが脳に刺激となって伝わり、脳機能の活性化につながっていくのです。アルツハイマー型認知症の防止策としては脳の活性化がとても重要です。
つまり、口腔機能がきちっと維持されていると食事ができ、しっかりとした栄養補給が出来ます。それに伴い日常の活動能力が向上し運動などへとつながります。それがさらに食欲増進、脳機能の活性化へとつながり、非常に良い連鎖が生じてくると考えます。
歯周病、むし歯、歯の欠損などがあったとしても、それらをマイナスにとらえずしっかりと治療して口腔機能を回復していけば認知症のリスクは軽減出来ると思います。
健康なお口で最良な食生活を送りさらなる健康増進を図りましょう。