突然歯がしみるなどの症状を経験した人は多いのではないでしょうか?それは知覚過敏かもしれません。

テレビのCMなどでもご存じかもしれませんが、冷たいものを口にしたときや歯磨きの時にキーンとしみたりする事を、象牙質知覚過敏症と言います(むし歯でしみる事もあるので注意してください)。

歯は大まかに三層の構造からなり、一層目はエナメル質という一番表層の白い部分です。二層目に象牙質、三層目に歯髄と言われる神経があります。知覚過敏症は二層目の象牙質が露出してしまう事が原因で生じます。象牙質には象牙細管と言われる多くの微細な管が多数ありここを刺激が通過し神経に伝わって、一時的にしみたり、または一過性の痛みを誘発します。これが象牙質知覚過敏症です。

ではなぜ象牙質が露出してしまうのでしょう?それにはいくつかの原因があります。

・強い圧によるブラッシングや歯周病、加齢などによる歯肉退縮が生じ歯根の象牙質が露出

・咬耗と言って徐々に歯の表面が削れたり、かけたりしてしまう

・歯ぎしりや食いしばり、噛みしめなどにより歯の表面が削れてしまう

などがあります。

では、知覚過敏症へはどのように対処すればよいのでしょうか?

まずは歯科医師に相談してみましょう。本当に知覚過敏症なのか、それともむし歯による症状なのかをしっかり見極める必要があります。それにより対処方法も変わってきます。

知覚過敏症という事であれば次の対処方法を考慮してみましょう。

・適切なブラッシングが出来ているかを確認しましょう。歯ブラシの毛の硬さが硬すぎると歯を削ってしまう原因になるのでふつうあるいは柔らかい物に変えましょう。

・ブラッシング時、力を入れすぎてないか?もし短期間の使用で毛先がひらいてしまうと言う方はブラッシング時の力が強すぎるかもしれません。物足りなさを感じるかもしれませんが、やさしい力でブラッシングをしましょう。力が強いと歯が削れたり、歯肉退縮を起こす原因となりますので注意してください。

・知覚過敏用の歯磨剤を使って見ましょう。その歯磨剤との相性もあり100%効くとは言えませんが、2週間から1ヶ月程度の使用で徐々にしみにくくなってきます。その後も継続して使う事が大切です。

・歯科医院での知覚過敏に対応するコーティング剤の塗布、むし歯や歯肉退縮の原因になる歯周病予防のため定期的にメインテナンスを受け、適切な口腔ケアが出来ているか確認してもらいましょう。

象牙質知覚過敏症には残念ながら特効薬はありません。ただ上手に対応すれば症状の悪化を止めたり、軽減させることは可能です。心配だなと思う方は是非歯科医師にご相談ください。