フッ化物洗口について①

2017.6.21

皆さんは“フッ素”と言う言葉をご存じだと思いますが、実際に歯科においては切っても切り離せないものです。

フッ素の役割は、“歯の再石灰化”や“虫歯予防”にとても深く関わってきます。フッ素は通常単体で用いるのではなくフッ化物として用いていますが、具体的にはフッ化ジアンミン銀やフッ化ナトリウムと言う形で作用させます。虫歯は汚れの中の細菌が作る酸により歯が溶かされ生じますが、フッ化物は歯が溶かされにくくなるような歯質強化と言う事と、もう一方で歯を溶かす細菌の酸産生能の低下にも作用していると言われています。この作用を日常の中で利用した一つの方法がフッ化物洗口です。

フッ化物洗口とはフッ化ナトリウム溶液を用いてブクブクうがいをする方法です。これは小中学校や保育園、幼稚園などで行われますが、家庭で行う方法もあります。この方法では一定濃度、一定量のフッ化ナトリウム溶液を用い30秒~1分間ブクブクうがいをします。

実際に学校など集団で行う場合、週5回法、週1回法があり年齢や回数により1回の使用量や溶液濃度を調整します。各家庭での場合は毎日1回行う方法があります。なお、フッ化物洗口を行うにあたっては、ブクブクうがいがうまく出来ないといけないのでうがいをして吐き出させる練習をしてから行います。

洗口を行うにあたり、まずしっかりと歯磨きをしましょう。口の中をきれいにしてから行います。フッ化物洗口後は30分間うがい、飲食は控えます。よって保育園ではお昼寝の前に、幼稚園・小中学校では授業の直前に実施し、家庭では就寝前の歯磨き後に実施するのが適切とされています。フッ化物洗口による虫歯予防効果ですが、約30~80%と言われています。第一大臼歯の萌出時期である就学前から第二大臼歯の萌出時期である中学生まで継続して実施していく事が予防効果を確かなものにして行きます。これによって得た効果は、一部のデータによれば成人になっても持続し、歯と歯の間に生じやすい虫歯や、歯の根っこの表面に生じる虫歯の予防にもつながるとされています。

ただ、一方でフッ素の過剰摂取による中毒の危険についての問題も指摘されています。どんなお薬もそうですが用量、用法を守り正しく使わないと意味がありません。

よってフッ化物洗口を日常の中に適正に取り入れ、歯の健康にとって有効なものとして上手に活用してみましょう。

CAD/CAM冠について

2016.12.14

平成26年度よりCAD/CAM(キャドキャム又はカドカム)冠と言う被せ物が保険診療の中で出来るようになりました。

それまでの保険での被せ物は“銀歯”と言われるメタルクラウンと、硬質レジンと言われるプラスチックで出来た硬質レジンジャケット冠がありました。前歯に関しては金属に硬質レジンをくっ付けた硬質レジン前装冠と言われるものがありました。勿論現在もこれらのの被せ物はあります。

これ等は前歯なのか、奥歯なのか、咬み合わせの状態、力の加わり方などにより使い分けをします。また部位により適応になるものならない物があります。

平成26年度よりこれにもう1種類の被せ物が出来るようになりました。これが前記したCAD/CAM冠です。まずCADとはコンピューターによる設計プログラムでCAMとはコンピューターによる加工プログラムの事です。このコンピュータープログラムを用いて作られた被せ物の事をCAD/CAM冠と言います。用いる材料はプラスチック(レジン)とセラミック(陶材)を混ぜ合わせて作ったものを四角いブロック状にして、これをCAD/CAMシステムを搭載した機械により被せ物の形に削り出して作製していきます。

このCAD/CAMシステムは、工業界においてはすでに用いられているもので機械の部品やパーツ、その他様々な物がこれにより作られています。

歯科の分野においては、10数年前から徐々に普及し始めて白い被せ物や詰め物を作製するために用いられるようになりました。当時は保険での適応にはなっていなかったので、これらによって作られたものは自費あつかいになり、数万円~10万円程度の料金がかかりました。現在では、1万円以下の数千円で出来るようになりました。以前用いられていた硬質レジンジャケット冠よりも、より強度があり審美的にも優れていて保険の範囲での白い被せ物として徐々に一般的になりつつあります。ちなみにこれが適応になる歯の部位は上下顎とも前から数えて4番目と5番目です。但し前記したようにどのような被せ物を選ぶかは様々な条件を考慮して行かなければなりません。よってもしこのCAD/CAM冠を希望する場合はかかりつけの歯科医師としっかり相談をして選択して下さい。

勿論これは従来通りですが、お手入れ(ブラッシング)をしっかりして大事に使って行きましょう。

乳歯について

2016.5.21

小さいお子さんを持つお父さんお母さんにとって、子供の歯の生え変わりはご近所、幼稚園などでは必ずといっていい程話題になるのではないでしょうか?今回は乳歯について取り上げてみたいと思います。

乳歯は上あごに10本、下あごに10本、合計20本から成り立ちます。生後6~8ヶ月ごろ

から生え始め、おおよそ3歳ぐらいには生えそろいます。また乳歯の交換時期は、早い子は5歳半ごろから始まり、12~13歳頃には永久歯に生え変わります(個人差がありますので多少の前後はあります)。

それぞれ歯牙には名称があり、一番前から順に、乳中切歯、乳側切歯、乳犬歯、第一乳臼歯

第二乳臼歯と呼ばれています。これらを順にA、B、C、D、Eと呼びます。この名称は上下顎とも共通です。(以後A、B、C、D、Eと表記)

乳歯の生える順番ですが、一般的に生後8カ月頃から下前歯Aの2本が生え始め、続いて

10カ月頃から上前歯A、1歳から1歳半にかけて上下ともBが生えて前歯が4本ずつ

そろいます。1歳半から2歳にかけてはDが生え始め続いてCが生えてきます。それ以降2歳半から3歳にかけてEが生えていわゆる乳歯列が完成します。これには多少の個人差があるので、一つの目安と考えてください。よって、下記のような順番となります。

        A→B→D→C→EまたはA→B→C→D→E

乳歯が抜けるのも一般的にこの順番になります。

 

乳歯が生え始めてくると、一番気になるのが“虫歯は大丈夫だろうか?”と言う事だと思います。

1~2歳頃は上前歯の表面や隙間が虫歯になりやすく、皆さんの周りでも前歯が黒かったり茶色かったりするお子さんを見かけたことがあると思います。色々な原因はありますが、夜間授乳で生じる事が多いと言われています。

2~3歳頃は乳臼歯生え始める時期で、主に裂溝と言われる咬む面の溝が虫歯になりやすく要注意です。

3歳以降になると乳臼歯の歯と歯の間が虫歯になりやすいと言われています。

 

以上乳歯について述べてきましたが、この時期の食習慣は今後の虫歯予防にとても重要になってきます。規則正しい食事、間食、保護者の方の仕上げ磨き、定期的な検診で、虫歯予防に心掛けて下さい。

妊婦さんと歯科治療について

2015.11.11

虫歯など口の中のトラブルはいつなんどき生じるか分かりません。妊娠しているからと言って虫歯の痛み、歯肉の腫れなどが生じないとは限りません。もし周りの方がそのような事態になってしまったら、皆さんは何を考えるでしょうか?まず最初に考える事は、“この痛みを何とかしたい”、と言う事だと思いますが、次に考える事は“妊婦さんだから歯科治療は大丈夫?”と言う事ではないでしょうか。“レントゲンは?麻酔は?お薬は?”様々な疑問や不安が浮かんできます。

妊娠中の歯科治療は緊急性がなければ基本的には行わない方がいいと言われています。ただどうしても必要な時は、妊婦さんに対し歯科医師がしっかりと問診を行い今の体調や状況を確認し処置を行うこともあります。もちろん必要な場合は産科主治医とも連携を図り行っていきます。基本的に治療は安定期に行います。妊娠初期(15週くらい)や後期(28週以降)は胎児や母体への影響を考慮し、また様々なリスクを回避するために、可能な限りの応急的処置にとどめます。勿論この時期に、どうしても治療が必要な事もあるのでその時も産科主治医と十分な連携を取ります。

実際に歯科治療を受ける事になったら、レントゲン撮影や麻酔、抗生物質・鎮痛剤など様々な事が必要になってきます。レントゲン撮影においては、2011年の震災に伴う原発事故で色々な事が取りざたされてから“被曝”と言う問題が大きく取り上げられていますが、歯科で使用する物は皆さんが1年間に浴びる自然放射線量に比べて放射線被曝量はかなり小さいものです。よって必要な場合は診査・診断にはとても大切な情報になりうるので、レントゲン撮影を行う事もあります。次に麻酔ですが、緊急性などにもよりますが状況を考慮し使用して治療する事もあります。但し、麻酔薬にも種類がありますので状況に適したものを選択して用います。抗生物質や鎮痛剤ですが、これも必要性を十分に考慮して用います。例えば、歯肉が腫れた、歯肉から膿が出てきたなどこれらは細菌感染によるものですが、その様な状況に対しては抗生剤を用いる必要性が大きくなります。また当然痛みを伴っている事が多いので、鎮痛剤の処方も必要になると考えます。現在様々な薬が出でいる中で妊婦さんに処方して良いものといけないものがあります。当然、母体や胎児に安全なものを選択し処方します。勿論レントゲンや麻酔と同様に緊急性や必要性を加味した上で処方します。

以上、妊婦さんと歯科治療について述べてきましたが、上記したように実際の治療になるとレントゲン・麻酔・処方薬、これらの使用がどうしても必要になることがあります。もしも歯科治療が必要になってしまった場合は、歯科医師やかかりつけの産科医に相談し適切な処置を受けて下さい。もちろん、そうならないために日頃からブラッシングや定期健診を受け口腔ケアに心掛けましょう。

デンチャープラークについて

2015.6.9

デンチャープラークとは、入れ歯に着いたプラーク(歯垢)の事で、この中には細菌が増殖して、カンジダと言う真菌類(カビ菌)も存在します。これ等の細菌が存在するプラークにより入れ歯を支える歯肉などに炎症を生じさせ問題を起こすのです。
義歯には総入れ歯や部分入れ歯がありますが、入れ歯の形態が複雑になる程デンチャープラークが付着しやすく、また清掃等で取りづらく残ってしまうのです。このデンチャープラークがさらに石灰化し強く付着すると歯石のような状態となり、ご家庭にある清掃道具(ブラシなど)や入れ歯洗浄剤などでは取れなくなってしまいます。このような汚れが付着すると、さらに汚れが付きやすくなり、より不潔な状態になります。また入れ歯の表面がザラザラとした状態となり舌感や見た目などの審美的な問題を生じます。更に言うと、これに伴って入れ歯の適合が悪くなり痛みを生じやすくなる事もあります。
デンチャープラークは入れ歯やその下の歯肉にトラブルを生じさせるだけではありません。入れ歯を支えている歯やその歯を支える歯周組織にも大きな問題を生じさせるのです。歯の残存状態にもよりますが、特に部分入れ歯を使用されている方に大きく関係してきます。部分入れ歯は床と呼ばれるピンク色のところと人工歯が付いている部分、クラスプと呼ばれる金属のバネの部分があります。床と呼ばれる部分に関しては先に述べたように、ここにデンチャープラークが付着すると義歯の適合性や入れ歯を支える歯肉に影響を生じさせますが、クラスプと呼ばれる金属のバネの部分にデンチャープラークが付着した状態になると入れ歯を支える歯や歯周組織に悪影響となってきます。歯に関しては“虫歯”です。歯は磨いていても、入れ歯に着いた汚れをしっかり除去しておかないと、この中の細菌が歯に感染し虫歯を生じさせます。歯周組織に関しては“歯周病”です。汚れは都合よくその歯だけに留まると言う訳ではありません。歯肉にも感染し歯を支える歯周組織を破壊していきます。虫歯・歯周病が進行し重傷になってしまうと大切な歯を失い兼ねません。よって歯と同様に入れ歯もしっかりとお手入れをしましょう。お手入れの際は、入れ歯用のブラシ、義歯洗浄剤を併用し行いましょう。どちらかだけだと汚れが取り切れず残ってしまいやすいからです。
“入れ歯だから歯磨きは大丈夫”、とか“入れ歯はお手入れが簡単”と言う事ではなく、入れ歯をお使いの方は、前よりもさらにしっかりとお手入れをしてデンチャープラークが溜まらないようにしましょう。そしてより充実した食生活をおくって下さい。

歯の外傷について

2015.5.13

 大人も子供も、転んで歯をぶつけてしまったなどと言う事は日常生活の中でありがちな事ですよね。何でもなければいいのですが、歯が欠けている、歯がぐらぐらしている、などの症状があったときは必ず歯医者さんに行って確認してもらいましょう!これが歯の外傷と言うものです。歯の外傷には、歯が欠けたりする破折、歯がぐらぐら動く動揺、脱臼及び亜脱臼、歯の位置が本来の場所とはズレてしまう転位、歯肉の中にめり込んでしまう陥入、歯が抜け落ちてしまう脱落など、状態により分けられます。
 歯が欠けてしまった破折の場合、欠け方により対応の仕方は変わります。軽度の場合は症状もなく歯の神経や歯肉に影響が出ることもほとんどありません。但し、ぶつけた時の衝撃の影響で歯の神経に異常をきたし、しばらくすると歯に変色が生じたり歯肉が腫れる事があります。神経に達するような欠け方の場合は強い痛みなどの症状がでてしまうので、神経をとると言った早めの処置が必要となります。歯の動揺、脱臼、亜脱臼の場合、ごく軽度の動揺の時はぶつけた歯を安静に保ち経過観察を行います。明らかな動揺、脱臼、亜脱臼が見られた時は隣在歯と連結固定をし安静を保ちます。固定期間は状況にもよりますが数週間から数か月行います。また歯根が折れている場合も動揺が見られますので状態により抜歯が適応となる事もあります。歯の転位、陥入の場合、受傷した歯を元の位置に戻し隣在歯と固定をして、歯及び周囲歯肉の安静を保ち回復を待ちます。ごくごく軽度の転位・陥入の場合はその程度により元に戻さずそのまま様子を見る事もあります。歯が脱落してしまった場合、再植が試みられます。受傷してからの経過時間、脱落した歯及びその保存状態、周囲の歯肉や骨の状態により予後に影響してきます。もし脱落のような事態になったら、歯を乾燥させないよう「歯の保存液」と言われるものや(学校などによっては備えている所もあるようです)、「牛乳」などにつけて出来るだけ早く歯医者さんを受診しましょう。
 上記したいずれの状態でも、その時だけの処置で終わらず歯科医師の指示に従い経過観察を行っていく必要があります。痛みがなくても徐々に歯の神経に問題が生じ、歯が変色したり歯肉が腫れたりすることがあるからです。その場合神経をとる処置を行ったり状態によっては抜歯の必要性が生じます。
 よって、歯をぶつけてしまった場合まずは歯医者さんを受診しましょう。そして必要に応じレントゲン撮影などの検査を継続的に行い、経過観察をして行きましょう。

永久歯の先天性欠如について

2015.2.20

永久歯は上下合わせると28本、親知らず4本すべて合わせると32本あります。ただ永久歯が何かの原因で作られず欠損してします事があります。これを永久歯先天性欠如と言います。1歯から数歯に見られる事があり、日本小児歯科学会によればこのような子が約10人に1人の割合でいると言われています。
これは通常、乳歯の下で将来永久歯になる“歯胚”と言うものが何らかの影響で作られなくなってしまう事によって生じます。
永久歯の先天性欠如の原因は明らかになっていませんが、遺伝や全身疾患、栄養欠如、薬物の副作用などが原因と考えられています。但しはっきりとした原因や因果関係は不明です。
好発する頻度は上あごよりも下あごの方が高く、部位は側切歯と言われる前から数えて2番目の永久歯と、第2小臼歯と言われる前から数えて5番目の永久歯で見られる事が多いと言われています。欠損歯の左右差はないとも言われています。
永久歯が生えてこないと、本来抜けるべき乳歯が残存します。この乳歯はこれから一生残存し続けることはなく、また永久歯に比べて虫歯になりやすく、個人差はありますが徐々に歯根の吸収が生じ抜けてしまいます。
欠如歯が見つかった場合、経過観察を含めた長期的な治療計画をたて、適切な時期に適切な治療を行っていく必要があります。欠如歯が見つかったからと言って、時期をあせって抜歯をし、その欠損部位をブリッジやインプラントで処置してしまうと、顎骨の成長を妨たげたり歯牙を傷つける事になり危険です。将来的に抜歯や脱落など、欠損を生じる結果になると考えたとしても、残存する乳歯のお手入れをしっかりとして歯並び等に悪い影響が出ないよう長期的な管理を行うことが大切です。
先天性欠如の治療方法ですが、歯を動かす矯正治療、欠損した歯の両隣の歯を削ってスペースを補う数本が一体型になったブリッジと言う差し歯、インプラントと言う治療方法があります。これらの治療は顎の骨や欠損の状態を考慮して行っていく必要があります。またこの中には保険のきかない治療方法もありますので注意しましょう。
よって、先天性欠如が発見された場合はかかりつけの歯科医師と相談し、定期検診を含めた歯並びや咬み合わせなどに影響が出ないように治療を行っていく事が重要です。

ブラキシズム(歯ぎしり)について

2015.1.9

ブラキシズムとは口やその周りの器官、咀嚼筋と言われる咬むための筋肉の習慣的な癖で
口腔悪習癖と言われています。これは歯ぎしりや咬みしめ、くいしばりなどで、歯ぎしりは
睡眠中に起こっていて、また咬みしめ、食いしばりは日中・夜間に関わらず咀嚼筋と言われる咬むための筋肉が無意識に異常な動きをしていることです。これは咬合神経症とも言われています。
ブラキシズムには、グラインディング・クレンチング・タッピングと言って3つの種類に分類されます。グラインディングは上下の歯をギリギリとこすり合わせるタイプです。これはよく言う歯ぎしりタイプの事で、夜寝ている間に生じています。クレンチングは強い力で歯を食いしばる事で無意識のうちに生じてしまいます。これは昼・夜関係なく起こっています。
タッピングは上下の歯を細かく小刻みに接触させる事です。通常、歯には食事や強く咬んだ時に一過性に強い力がかかりますが、このブラキシズムがあると持続的に強い力が加わるため、歯やそれを支える歯茎や骨などの歯周組織と言われる部分に大きな影響が生じると言われています。
歯に関しては、徐々に表面がすり減ったりまたそれに伴い知覚過敏と言って歯がしみるようになります。ひどい場合は歯の破折を生じてしまう事があります。歯茎や骨など歯周組織に関しては、特に歯周病にかかっている歯に対してさらに過剰な力の負担が生じてより悪化させてしまうことがあります。また一部では、過剰な力が顎の関節に作用し顎関節症の原因になってしまうとも言われています。
このブラキシズムと言う現象は、前記したように無意識に生じる事なのでなかなか自分自身では気づきづらいものなのです。また、なぜ起きてしまうのかも解明されていません。推測として、咬み合わせなどを含めた口の中の原因や日常生活でのストレスなどの精神的な原因があると考えられています。
では、どのようにして自分自身にブラキシズムがあるかないかを確認すればよいのでしょうか?1.就寝中に家族から歯ぎしりなどの指摘をされた事がある2.起床時に顎や口の周りにだるさが残る。3.歯の表面に擦り減りが見られる。4.歯茎に骨隆起と言われる骨の膨らみがある。5.歯医者さんでブラキシズムの疑いを指摘された。他にもまだ目安となるものがありますが、上記の項目を参考にしてみてはいかがでしょうか?
ブラキシズムへの対応としては、“ナイトガード”と言われる装置があり、これにより歯が擦り減ってしまう事を防いだり、顎の骨を過剰な力から守ります。また一部の医療機関ではセルフコントロールを行う“バイオフィードバックトレーニング”と言われる行動療法が取り入れられているところもあります。
もしご自身で気になる事があったら歯医者さんで検診を受け、早めの対策で歯や歯周組織をしっかり守りましょう!

グラグラした歯を動かさないで

2014.12.22

皆さん、歯がグラグラした経験はありますか?ほとんどの方が子供の時に乳歯から大人の歯に代わるときに経験していると思います。なぜ乳歯が抜け代わるかというと、大人の歯が生える時に、子供の歯の根を吸収するからです。

木に例えれば 木の根がなくなり、幹や枝だけになった木がコロンと倒れてしまう現象に似ています。

ところが、大人の歯がグラグラするほとんどの場合は歯周病を悪化させてしまった時に起こります。先ほどの木で例えると幹や枝や根はあるのに、土がなくなってしまってコロンと倒れてしまう現象です。

歯が揺れるとほとんどの方は気になって触りたくなります。

歯を舌で押してみたり指でグラグラさせてみたりということをしてしまいがちです。

グラグラ動く歯を動かすことはとても危険な行為です。

木を揺さぶると、根を包んでいた土は少なくともどこか失われます。崖崩れで木が倒れてしまうように土台がなくなれば歯もコロンと倒れてしまいます。グラグラと揺さぶる行為は、土台を失わせる行為そのもので、歯の場合は、歯槽骨という骨が溶けて歯周病を進行させてしまいます。悪くなった歯は大抵、伸びてくるので、上下の歯が強く当たる現象が見られます。伸びた歯の状態で噛むと、噛めば噛むほど歯が強く骨に押し込まれ歯槽骨が溶けることがあります。骨が溶けることが歯周病で歯を失う最大の原因です

歯を指や舌で動かすことは骨にダメージを与える危険な行為ですので出来るだけ動かさないように気をつけましょう。歯が動くことは健康ではない状態です。痛みや違和感がなく進行してしまう歯周病の症状の一つが歯の動揺です。歯が動き始めたら悪化していると考えられます。骨が失われている可能性は高いかもしれません。

一度歯周病が原因で失われた歯槽骨は、治療をしてもほとんど再生されません。

骨の再生療法という最新の治療が聞かれますが、骨を溶かしてしまう前に予防をしておくことが望ましいと思われます。悪化してグラグラして噛めなくなってから歯科医院に来るのではなく、トラブルのない健康な状態の時に検査やクリーニングをしておくことをお勧めいたします。骨が溶けてしまう前に、定期検診などをご利用して予防に努めるようにしましょう。歯がグラグラしている方は早めに歯科医院へご相談ください。

痛い歯は強く咬まないで

2014.12.22

噛んだ時に歯に違和感を感じたことはありませんか?

「あれっ、おかしいな」と思ったときに、もっと強く噛んでみると治るのではないかと思っている方がいると思います。しかし、それは危険な行為なのです。

強く噛んで治ることはほとんどありません。違和感の原因は、歯が浮いてきて、反対の歯に強くあたっていることが多く見られます。歯根膜という骨と歯の間にある車で言うとサスペンションの役割をするようなセンサーが危険信号を受信しています。強く当たり過ぎている歯と歯にはバランスをとれている歯とは違い、大きな圧力が一点に集中して加わっています。その時におかしいからと言って、ぐっと強く噛むと、歯の一部がチップしてかけることがあります。または、詰め物や被せ物が外れます。強くあたり外れてくればいいのですが、最悪の場合は、歯の根っこが二つに割れてしまいます。根っこが割れた場合は、修復が不可能に近いため治療は抜歯になります。歯を自分が噛んだ力で割ってしまい失ってしまいます。多くみられるケースなのでご注意頂きたいと思います。

また、歯の質が良く丈夫だった場合、歯は健康そのものでよいのですが、そこに強く圧力が加わった場合、土台である骨が力負けしてダメージを受け溶け始めます。骨が溶け始めると、初めのうちは違和感があったものが、だんだんと痛みを感じなくなります。もうその時は手遅れになっていることが多いのです。歯が揺れて、硬いものが噛めなくなってきたらそろそろ重症です。歯は、骨に支えられているのではなく、歯の周りの繊維組織でかろうじて付いています。レントゲン診査をして歯の周りの骨が失われているのを確認されたら残念ながら抜歯となります。噛み合わせがおかしいことの他にも虫歯や歯周病で同じように違和感を生じます。ほとんどの場合、おかしい歯には何らかの原因があります。強く噛んで悪化させることが多いため、おかしいなと感じた時には、なるべく早く歯科医院へご相談されることが望ましいと思われます。